恋を読む 秒速5センチメートル の朗読劇の感想
恋を読む vol.3 秒速5センチメートル (ヒューリックホール東京)の朗読劇を観に行っていきました。桜井玲香さんは10月21日、22日の舞台に篠原明里役として出演されていて、私は22日の舞台を観てきました。
初めて観て、聴いた「朗読劇」という舞台。
とても楽しかったです。
桜井玲香さんもインスタでコメントしていました。
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無事全2公演終了しました!
素敵な皆様とご一緒出来て、
また幸せな時間を過ごせました。
朗読劇、楽しかったなぁ…
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想像が沢山膨らんで、いろいろな情景が浮かびました。
きっとそれぞれの人に、それぞれの景色が浮かんでいるだろうな。
自分の昔の初恋の頃。小学生で、通学路の帰り道に好きな子の事を話しながら帰ったり、学校で好きな子と隣通しになった時のドキドキ感。高校生になった時、その子と同じ学校になった時にまた感じた甘酸っぱさ。レモンというかグレープフルーツというか、そんな果物をかじった様な、当時の感覚を少し思い出しました。
年賀状だけはずっとやり取りをしていて、大学を経て社会人になり、そのうち、結婚した、という連絡を受けて
「おめでとう」と返した年賀状。
なんか、朗読劇だと自分のこれまでを振り返る余裕の数秒があり、そんなことを思いだしながら観ていました。
いつもは原作を知らない場合は原作を読んでから観劇することにしているのですが、今回は敢えてそれをしないで舞台に行きました。だから、前提知識ゼロでいろいろと新鮮だったのもあるかもしれません。
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改めて、繊細でとても美しい物語だと感じました。
アニメーションもとても素敵ですが、朗読劇という形で、この作品の持つ更なる魅力を感じていただけると思います。
今回は生配信もあるので、劇場にいらっしゃる方はもちろん、生配信でご覧になられる方にもしっかりと伝わるように努めたいです。
引用元:
https://natalie.mu/stage/news/401554
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と語っていた桜井玲香さん。
この劇の中で、桜と雪が落ちてくる場面がありました。
桜を雪になぞり
「まるで雪みたいじゃない」
と言う明里。
一部の桜井玲香さん演じる明里は中学生。この時はまだ幼いのですが、この時の声はとても強く感じました。
それまでは幼い声色で、子供のとても可愛らしかったのですが、この台詞の時はとても強く、何かひとつ変わったかのような強さを劇場で感じた次第です。僕はこの場面、とても好きだなぁ。
二部は、すごく切ない感じでした。片想いで貴樹に想いを寄せる花苗。
花苗を演じる田村芽実さんは、ほんと花苗とシンクロしているんじゃないか、って感じるくらい等身大な感じがしました。
なんか学生の頃のわちゃわちゃ感も思いだしてすごく引き込まれたなぁ。
三部の大人になってからの明里。結婚式を控えた明里はもう大人の女性で、淡々としっかりと地に足のついた感じ。
それでも幼い時の事を思い出した時に、優しく、それでも前に進もうとする女性の姿を演じていました。
目を瞑って聞いた時もあったのですが、凛とした姿を明里に感じられました。桜井玲香さんは、この劇の中で、声というツールで、いろいろな女性の姿を使い分け、ほんといい女優さんにどんどんなっているようなぁとあらためて実感しました。
最後に、貴樹ってどうだったんだろうって思ったのですが、強く生きているんじゃないか、って僕は思っています。
入野自由さんの演じ方がとても自分にはしっくり来ていて、なんだかんだひたむきに頑張っている貴樹を感じました。
この物語、僕もとても美しいなって思いました。そして同時に儚く、そして強い物語とも。
それぞれ人が、それぞれを背負って、普通に生活している。
楽しんで頑張らなくっちゃ!小説も読んでみようかな。